DX データを経営判断に使うための第一歩
売上や受注、顧客対応の記録など、日々の業務からはさまざまなデータが生まれています。しかし、それらが実際の経営判断に活かされているかというと、多くの中小企業では「なんとなくの感覚」や「長年の経験」に頼ったままというケースも少なくありません。今回は、データを経営判断に使うための第一歩について考えます。
データがあるのに使えない、よくある理由
「データはあるはずなのに、経営判断には活用できていない」という状態には、いくつかの共通した理由があります。
- 売上データは会計システム、受注データは受発注システム、顧客対応の記録は現場担当者のExcelやメモなど、情報が複数の場所に分散している
- 集計のたびに手作業での転記・加工が必要で、最新の数字がすぐに見られない
- 担当者によって記録のフォーマットがまちまちで、月ごと・部署ごとの比較がしにくい
こうした状態では、データを使おうとするたびに「集めて、整えて、やっと見られる」という手間がかかり、結局は経営判断のスピードに追いつかず、感覚的な判断に戻ってしまいます。
経営判断に使えるデータの条件
データを経営判断に活かすためには、単に「データがある」だけでは不十分です。次のような条件を満たしていることが重要になります。
- 必要なときにすぐ見られる(集計に数日かかるようでは判断に使えない)
- 毎回同じ形式・同じ基準で記録されている(比較できることが前提)
- 特定の担当者だけでなく、経営者自身が直接確認できる
この3つが揃っていないデータは、どれだけ量があっても「資料」止まりで、「判断の材料」にはなりにくいのが実情です。
第一歩としてできること
最初から全社のデータを統合しようとする必要はありません。まずは、経営判断に直結する指標を1つか2つ選び、それを毎週・毎月、同じ形式で見られるようにすることから始めるのが現実的です。
例えば「月ごとの受注件数と平均単価」「主要顧客別の売上推移」など、すでにある業務システムやデータから取り出せるものを選び、定期的に経営者の目に触れる形にする。この積み重ねが、感覚ではなくデータに基づいた経営判断への第一歩になります。
データを経営判断に使うことは、大がかりなシステム投資がなければ始められないものではありません。まずは身近なデータを「いつでも・同じ形で・経営者自身が」見られる状態に整えることから着手してみてはいかがでしょうか。